■“KCR一座” 結成!
「え?クラブチッタ川崎で演るの?・・・チッタってあのチッタ?」
他にどんなチッタがあるんだよ!と突っ込まれるのを承知で口走ってしまうほど驚いた。
だが、驚きながらも、せっかくそんな大きな会場で演るのだから、何か記念になるものを作りたいと考えていた。
その考えは同じカメラマンのかけるさんも同様に持っていて、KCの4人とともに、『KCR一座』と称して、
6人が一緒になって楽しくライヴを迎えられるよう、ちょっとした企画を立てることになった。
(前回のライブからBOXと銅鑼という大道具が加わり、「芝居の一座」のようだから、こう命名した)
話しは少し遡って・・・
前回のボトムラインでのライヴ会場において、KCのメンバーが初めてお客さんからサインをお願いされたらしい。
しかし、サインなんて今まで一度も書いたことがなかったからか、らりさんは依頼者の希望で本名を漢字で書き、
YASSさんは、なぜか“yamm”にしか見えなかったとか。
とにかく、メンバー全員が、「おこがましくて、ちゃんと書けなかったよ」と言っていた。
それを聞いて、サインもKCらしく、本家のをコピーしたら面白いかも〜♪と考え、
思いついたのが、クイーンの3枚目のアルバム「SHEER HEART ATTACK」のLP盤のライナーノーツだった。
おそらく、リアルタイムでアナログ盤を聴いていたファンには、すぐにピンとくると思うが、
そのライナーノーツの裏には、メンバーのサインを囲むようにして沢山のクイーンの写真が掲載されている。
↓コレです。
■撮影秘話
ショットとしては10枚以上あるので、ちょっと大変かもしれないという不安はあったけど、
これを元ネタにして、今回の出演記念&来場御礼としてフライヤーを作成したらどうだろうかと提案した。
すると、さすが、初期クイーン好きの面々!KCの4人は衣装など含めて、すぐにOKを出してきてくれたし、
かけるさんは、実物と同じ感覚で撮影できるようにモノクロ撮影可能なカメラも用意してきてくれることになった。
こうなると、KCR一座としての6人の血が騒ぎ出すというか、結束力がグンと高まっていく感じだった。
写真撮影当日。
撮影場所に使われたのは、KCがいつも使用している都内の音楽スタジオ内。
先ず、女性3人で男性3人の顔に下地クリームからペタペタと塗りつけて、入念に煌びやかなメークを施していった。
それは、傍から観ても、一種異様な光景だったが、やってる本人たちは至って真剣!
YASSさんは自己流のメークも得意なようで、一段と彫りが深い顔に仕上がっていた。
TOHRUさんは終始黙っていて、私達にされるがまま。(笑) それとは対照的なのが、らりさんだった。
「ねぇ、これちゃんと落とせるよね?」と、しきりに心配していた。
当然だ、50近い男がこんな濃いメークしたまま電車で帰れるワケがないっ。(^^;
メークを完了したあと、早速撮影に入る。
実物のコピー写真とにらめっこしながら、ポースをとっていく4人。
それをファインダー越しに見て、更に確認しながらシャッターを押すかけるさん。
私は即席のスタイリストと化して、衣装がそれなりに見えるように工夫していたが、
元ネタ写真の上段、右から二番目のジョンの衣装で、首元がボーダー柄の服が無くて、どうしようと思っていたら、
YASSさんがどこから持ってきたのか、チェック柄の小さな紙袋を綺麗に長方形に折りたたみ、
それをTOHRUさんの首元にチョイと掛けて、「これをあとでPCで修正すれば、なんとかイケるでしょ」と言った。
その途端、私も皆も大笑いしたが、不思議と遠目には、それらしく見えたので、今度は皆で大いに感心した。
ふと気が付くと、予定の2時間をとっくに超えていた。
音楽スタジオで時間内に撮りきれなかったショットは場所を変えて撮影した。
なんと、飲み屋さんの個室である。
しかし、居酒屋の部屋だとは決して思われないように上手く撮影していくかけるさん。( さすがだ!)
しかも、YASSさんがヅラをつけたまま、テーブルの鍋をつついているところを即座に撮影していた。
また、スポット照明が必要なショットは、YASSさんが廊下の一角に丁度良さそうな場所を見つけてきてくれて、
まわりに誰もいない時を見計らい、皆で一斉に、コソコソと廊下に飛び出して撮影したりした。
ちなみに、この時の全員の行動は、お酒が入っていたにも関わらず、いつになく素早く、且つ、的確だった。
最後に、本家のサインに似せた「サイン」を書いてもらった。
すぬさんとYASSさんは本家のフレディとブライアンとは字数(スペル?)が足らないこともあって、ちょっと苦労していたが、
4人ともそれぞれ本家のサインをよく(練習)コピーしていた。
特にTOHRUさんは、ジョンの「J」の部分を上手く、「T」と合わせていて、パッと見ではよくわかないほどだったし、
らりさんは本名を漢字でロジャーのサインを真似ていて、さすがは、書の異端児だと感心した。
こうして、必要なショットを全部撮り終えた。
疲労感はあったけれど、それよりも、6人全員が同じクイーンファンとして、その共通項から得る楽しさの方が勝っていたし、
それによって最高のチームワークを感じられて、とても充実した一日となった。
■フライヤー完成!
翌日、早速かけるさんが撮影写真を送ってくれた。
確信はあったけど、そこには案の定、KCの魅力がたくさん詰まっていた!(撮影したかけるさんはミック・ロック賞ものだ♪)
そんな思いから、自分でもワクワクしながら、それらの背景処理や縦横の比率修正を繰り返して全体図を作成していった。
ちなみに、その作業は少々根気が必要で、特に背景処理では細かい修正を入れて衣装にも色々加工しているが、
今回はメンバーの「顔」はほとんど自然体?!のままだ。
そして約2週間後にフライヤーとして完成した。
でも、A3サイズで作成したので、一般家庭のプリンターでは出力できず、印刷はYASSさんにお願いした。
数日後、刷り上った一枚を手にしたとき、最初は満足感に浸っていたが、その後、ちょっと不安に思った。
・・・これ、元ネタが分からないと、単なるナルシスト集団に誤解されてしまうかも・・・と。(^^;
ということで、元ネタの写真と、今回のフライヤーの写真部分だけを並べてみた。 |